店舗デザインは理想のお店作りに必須・基本情報と注意点
店舗デザインは、理想のショップを作るうえで欠かせない作業です。しかし、ただ店舗の見た目を良くすることが店舗デザインではありません。本記事では店舗デザインの基本的な情報をご紹介しています。
店舗デザインは、どんな業種においても、お店作りに欠かせない作業です。お客さんを呼び込んでこそ「商売」になるわけですから、店舗デザインの大きな役割は「集客」です。
ただ、世の中に存在するショップを眺めてみると、集客を考えずにデザインされている店舗もかなりあるように思えます。
これらのショップは、店舗デザインで大切な基本から外れてしまっています。店舗デザインの基本は、ショップのコンセプトを表現しながら、ターゲットとなる顧客の属性を考慮し、顧客も従業員も快適に感じられること。いくらショップのオーナーが自身の好みを追求しても、顧客や従業員のことが何ひとつ考慮されていないデザインではダメなのです。
この記事では、理想のショップを作るために押さえておくべき店舗デザインの基本的な情報を、注意点とともにご紹介しています。独立などにより新しいショップの開店を予定している人は、ぜひ参考にしてください。
店舗デザインの基本
店舗デザインは、内装や什器・家具など、ショップ内外のカラーやレイアウトなどを設計して、ショップが望むとおりに作り上げる一連の作業のことです。店舗デザインは、顧客を呼び込むことを目的に行います。
店舗デザインがもたらす効果
店舗デザインは集客のために行われるものですが、ショップのコンセプトもターゲットとする顧客も定まっていないと、まず店舗デザインを始められません。店舗デザインは、ショップのコンセプト、顧客の属性などを考慮してデザインに落とし込まなければ成功しません。冒頭でお話しした「集客を考えずにデザインされている店舗」は、まさにコンセプトもターゲットも定まっていない店舗のことです。
店舗デザインを成功させるためには、店舗デザインの前に、綿密なリサーチを行うことがとても重要になります。綿密なリサーチからコンセプトを決め、ターゲットとする顧客を呼び込むために店舗デザインを行うのです。
店舗デザインは、それぞれのショップの業態や狙いなど、さまざまな要素を考慮して進めていきます。顧客の滞在時間を短めに考えているショップと長めに考えているショップでは、当然、店舗デザインの考え方が異なります。
店舗デザインでは見た目も大切ですが、その見た目もコンセプトやターゲット顧客のことが考えられたものでなければなりません。店舗デザインは、すべてがコンセプトとターゲット顧客ありきで行われるものであり、ただ単にショップを魅力的にすることではないのです。
店舗デザインの流れ
店舗デザインには、ショップのオーナーのほか、設計事務所や工務店が関わります。ショップオーナーの希望を聞き取り、イメージを具現化するために設計図を作るのが設計事務所の役割です。工務店は、設計事務所が作った設計図を基に工事を行い、オーナーのイメージどおりにショップを仕上げます。
中見出し
基本的には「設計事務所→工務店」という形で仕事が引き継がれますが、設計事務所が工務店を紹介してくれる場合もあります。工務店は、オーナーが選んでも問題ありません。ただし、どちらの場合でも窓口が2ヶ所になってしまいますし、見積りも別々になるので費用はかさみがちです。
ただ、このような完全分業ではなく、1社を窓口にして店舗デザインを依頼できる場合もあります。工務店が設計から施工まで一貫して行っているケースです。工務店の中には、設計事務所の役割を担っているところもあります。設計事務所ほど綿密に設計してくれるわけではないので、デザインにこだわりが多い場合は向きません。しかし、窓口が1ヶ所になることでコミュニケーションがとりやすく、また、仕事もスムーズに進むようになります。見積りも統一され、別々にオーダーする場合よりも費用が安くなることもメリットです。
店舗デザインの注意点
店舗デザインを行う際は、ショップオーナーの好みの具現化だけではなく、顧客が気持ちよく感じられること、従業員が働きやすいこと、そしてもちろん見栄えがよいことなど、さまざまなことを考慮しなければなりません。
クロスのカラーや家具、什器を選ぶことも店舗デザインの流れに含まれます。店舗デザインには、このほかにもまだやるべきことがありますが、これだけでもかなりの要素を設計に入れています。設計士はたくさんの要素を設計図に詰め込んでいくわけですから、ショップオーナーも設計士とのコミュニケーションを密にして、イメージとは異なるデザインにならないよう協力する必要があります。
それでは、これまでの内容と重なる部分もありますが、店舗デザインの注意点をご紹介しましょう。
コンセプトがなければ店舗デザインはできない
ショップのコンセプトが定まっていなければ店舗デザインはできません。コンセプトが定まっていないと、出店するエリアもターゲットとなる顧客も、ショップの大きさも何も決まりません。設計図を引く側はプロですから、しっかりとしたコンセプトがあれば、オーナーの話を聞き取りながら新しい店舗の姿を3Dパースなどで提案してくれます。たった1度の打ち合わせでイメージどおりの3Dパースはできあがりません。少しずつギャップを修正しながら、オーナーの持つイメージに近づけていきましょう。
店舗デザインはマーケティング
店舗デザインは、さまざまな要素を考慮して行わなければなりません。すでにお話ししたように、世の中には集客のことがまったく考えられていないショップも数多く存在しています。見た目ばかりが重視されたショップは、まさにこのような集客が考えられていないショップです。
店舗デザインにはコンセプトを落とし込みますが、それと同時にターゲットとなる顧客へのアピール、そして入ってみたいと思わせる仕掛け、通いたいと思わせる空間作りが必要です。このように見てみると、店舗デザインはマーケティングそのものです。マーケティングの考えを抜きに、店舗をデザインすることはできません。
メリハリをつけてお金を使う
いくらイメージどおりのショップを作りたくても、そこには予算という壁があります。豊富に資金があるなら別の話ですが、普通はやりくりしながらショップを作り上げていきます。
店舗デザインで大切なのはメリハリです。すべての場所に高価な建材を使うわけにはなかなかいきません。目立つところ、どうしてもこだわりたいところには高価な建材を使い、顧客の目が届かない場所にはリーズナブルな建材を使うなどのメリハリです。
店舗デザインのプロたちは、このようなメリハリのつけ方についてよく知っているので相談してみましょう。
従業員の働きやすさも追求
店舗デザインでは、常にショップにいる従業員の働きやすさを追求することも重要です。顧客も従業員も、ストレスなくいられる空間が理想的なショップです。
顧客の動線と従業員の動線が常に重なり合ってしまうようなデザインでは、どちらもストレスを感じてしまいます。レストランであれば料理や飲み物を提供するための動線をシンプルにするなど、従業員の働きやすさを追求しましょう。
まとめ
店舗デザインの基本と注意点についてご紹介してきました。店舗デザインはコンセプトがなければできません。コンセプトを定め、綿密なリサーチを行ったあとにようやく店舗デザインへと進めます。